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腰痛撲滅プロジェクトで生産性アップ DeNA流健康スキルアップ術

May 24, 2017
約 5 分

株式会社ディー・エヌ・エー CHO室室長代理 平井孝幸
人体や健康に関する書籍を半年で300冊以上読み、メンタル、食事、運動に関する研究結果をもとに自身のライフスタイルを一新。健康が当たり前な会社にするためCHO室を創設。

 

独自の取り組みを多数行っている株式会社ディー・エヌ・エーには、まだ設置している企業が少ないCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー)室があります。CHOには同社代表取締役会長の南場智子氏が就任していますが、このCHO室の立ち上げを提言したのはCHO室室長代理 平井孝幸氏によるものだということです。何がきっかけでCHO室設立を提案し、またどのような取り組みを行っているのか、具体的な取り組みについ平井氏より語っていただきました。

健康経営優良法人」にも選出されたDeNAの具体的な取り組み

健康意識の違いは人によって様々で、社内をみると健康意識の高い人が最も少なく、低い人が最も多いです。健康意識が低い人達に対して、少しでも関心を持ってもらえるよう、自社のデザイナーが描いた4種類のポスターを貼ることで訴求しています。

本社のトイレの個室の中や、会議室の外、他拠点など、健康に少し注意してみよう思わせるポスターを貼ることによって、歩くときや座るときに姿勢に気をつけてみることや、たまにストレッチすることなどを、自然なかたちで気づきを与えることを目的としています。

他には、カフェのメニューに飲み続けると健康にいいと言われているアサイーを品揃えしていただきました。自分から健康になろうと思わなくても、食事をとりながら、気づかずに栄養補給ができるという仕掛けを行っています。

また、健康意識が普通の層に対して、2016年積極的に行ったのは、健康に関するセミナー・研修です。特に昨年度はCHO室の活動が一年目であったことから、社員が何に興味があるのか全く分からない状況でした。そのため社員の関心を探る意味でも、健康経営の専門家にアドバイスをいただき運動・食事・睡眠・メンタルという4つの軸に絞って、それらに注力している企業さんや講師の先生に数多く来ていただき、年間通して約100回開催しました。

中でも一番、反響が大きく、参加人数が多かったのは「睡眠について」の研修です。社員向けアンケートの結果でも、睡眠時間が不規則になっている社員がいたり、スマホを持ったままベッドの中に入ってしまい寝づらくなっている社員が多かったことから、本当に好評でした。

また、研修を行うにあたって、講師の先生が事前にDeNAの社員20人くらいヒアリングし、社員に多い睡眠の課題を3つ抽出してもらい、「DeNA流スキルアップ研修プログラム」を作りました。

研修メニューの中には、多くの人が知らない快適な睡眠のためのポイントを入れました。例えば睡眠時間よりも起きる時間を毎日揃そろえること、土日も平日と同じ時間に起きること、寝る2~3時間前は食事をしないこと、起きたらすぐに太陽の光を浴びることなど、10のポイントがあります。

事前に研修プログラムを作りこんだ結果、DeNA特有の課題に対応する内容になり、睡眠グッズを買う人がでてくるなど、社員の中で具体的な変化が表れ始めました。

ただ、会社として一番改善したいと思っているのが腰痛です。なぜなら社員向けアンケートの結果によると、腰痛と肩こりで生産性が低下しているのではないかと思っている社員が、回答者の中で7割を占めていることがわかったからなんです。

特に腰痛については、会社を1週間休んだ社員、腰が痛くて3日間タクシーで通勤した社員もいて、本当にびっくりしましたが、そういう人達をゼロにすることができたら、全員が快適に働けるようになるのではと思ったからです。そのために「腰痛撲滅プロジェクト」として、2016年11月から第1弾の取り組みを始めました。

アンケートの結果をみて、腰痛に悩んでいる社員に直接メールをして対象者を集めました。カイロプラクティックの先生にオリジナルプログラムを作成していただき、デスク環境改善(ディスプレイの位置・椅子の座り方など)や、水分摂取量・就寝/睡眠時間の記録などを行いました。また、筋肉をほぐす器具を対象者に配布し、起床後と睡眠前に使っていただきました。その結果、そのうち半数以上の対象者から痛みが軽減されたと聞いています。中には痛みが完全に無くなった社員もいました。

2017年から始めた第2弾では、継続してプログラムに参加できる社員に限定し、専門医と毎日チャットすることで、個々人の痛みの原因・傾向を特定しました。その後、朝晩のストレッチをメインに改善取り組みを実施しました。チャットを利用し続けた社員全員の痛みが軽減し、プロジェクト終了後も毎日ストレッチを続けるものもいるなど、行動変容にもつながりました。日中の痛みが無くなるのはもちろんですが、今まで横になると腰が痛くて1時間から2時間ほど寝つけなかった人が、すぐ眠れるようになったという副次効果もでてきました。

健康に関する社員向けアンケートは、半年に1回実施しています。健康経営の進捗を定点観測するうえで必要なことです。アンケート内容は、健康経営の専門家に様々なアドバイスを受け、作りました。運動・食事・睡眠・メンタル4つの軸に対して、どれだけ社員が困っているのか、生産性が低下しているのかを観測します。項目が多すぎると回答者が増えないため、5分~10分で答えられる分量を全社員に送ります。

CHO室のアンケートとは別に、これまでも人事部が喫煙や健康診断に関するデータをとっていました。2017年からは人事と連携し、生産性観点、パフォーマンス観点はCHO室が、労務的なところは引き続き人事がとり、それらの結果を元に施策を色々と考えています。

まとめ

今回は具体的な取り組みにフォーカスを当てて記事を書きました。他社には無い、非常にオリジナリティに溢れる取り組みばかりです。まずは会社全体の現状を把握することから始めることが最も重要で、それがなければ何も対策は打てないと語っていました。次回以降、立ち上げの経緯や社内への浸透方法、今後のビジョンに関して書きますので、お楽しみに。

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About The Author

The Healthy Company編集長細波恭輔
このライターへの問い合わせ・仕事の依頼はsaiha@kankyocoms.co.jpまで

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