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働き方改革は「健康経営」とセットでなければ意味がない

November 16, 2017
約 7 分

働き方改革は第二章の「人づくり革命」へ

 「時短」から始まった働き方改革は、ここにきて生産性向上が主要なテーマとなってきている。仕事量が同じなまま、働く時間を減らしたところで、どこかにしわ寄せがくる。自宅に持ち帰るか、スタバでやるか。働き方改革とは、そもそも仕事の効率を高めることが本質であると気づいたからにほかならない。

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では、生産性向上のために何をすべきなのか。そもそも仕事とは、最少のインプットで、最大の価値を作り出すことにある。できるだけ少ない労力と時間、最も効率の良い手段、プロセスで、結果として最も安価な費用で、多くの価値(=目的の達成)を実現することである。生産性とは、いかに効率良く、価値を実現するか、その度合いのことで、「生産性=提供価値/投入資源」という図式になる。

仕事の効率化には、仕事のしかたや仕組み、流れを変える業務改善もさることながら、働く人の質を高める必要もある。そこで、解散前の安倍内閣が掲げた「人づくり革命」が登場してくるのだ。人材教育、社会人になってからの学び直し、リカレント教育の重要性が叫ばれている。人材教育に対する、さまざまな助成、税控除などいろいろな施策が検討され始めていた。

AIの進展も人材教育に拍車をかけている。2045年、コンピューターが人間の能力を超える技術的特異点、「シンギュラリティ」がくると言われる。ある研究によると、現在人間が行っている仕事の4割がAIに置き換わるとの調査もある。AIに指示されて仕事をすることが現実となるかもしれない。人間はAIに使われる人になるのか、AIを使う人になるのか。大きな分岐点が目前に迫っている。

人材教育の機会が増えたとしても、結局、その教育を受けるのは、個々の人である。その人の意欲が高まらないと、参加したとしても身に付かない。仕事で疲弊した状態では身に付くはずもないし、心身に不調をきたしていては、そもそもやる気も起きるはずがない。先に記した業務改善にしても同様だ。働き方改革と心身ともに健康な状態の維持を目的とした健康経営は、コイン裏表の関係にあるのだ。

多くの企業が取り組みはじめている「健康経営」

誤解してはならないことは、働き方改革と同様に、健康経営は手段であって目的ではない。健康を目指して経営するのではない。結果、健康である方が、仕事の効率も上がる、創造性も高まる、ということだ。

なにより、大事な従業員が健康を維持して、充実した生活を送ることができる。健康の方が仕事の成果が上がり、ワーク・ライフ・バランスの実現がしやすいということに、働く人、個々人に気づいてもらう取り組みが、健康経営の本質だ。そして、個々人が健康維持への取り組みに対して「自走」し始めることが大事である。

大きな病気をした人であれば、健康の大事さを身に染みて意識するもの。しばらくは、健康を意識した生活を送る。一方で、そこそこ健康な人に、健康を意識してもらうことは至難の業だ。健康を害するまで、特段不都合がなければ、いまの生活スタイル、仕事のスタイルを維持するだろう。健康を意識することなどほとんどない。

そして、健康経営が推進される場合、上から指示され、「やらされ感」を持ちながらの健康推進、健康維持では長続きしない。自ら健康の大事さに気づき、自らが進んで動き出す。健康経営では、そのための支援をしていくことが重要なのだ。

健康状態は個々人それぞれ状態が異なる。一律の支援施策では、対応しきれないだろう。よって、個々の状況をしっかりと把握し、それぞれのケースにあった施策を、いろいろと提供していくことがポイントだ。

あの手この手で、どこかで、健康に対する意識を「着火」させる。そんなイメージだ。個々に寄り添い、個々に合った施策を、まさに、ダイバーシティ的観点で提供していくことが望ましい。多様な施策、多様な仕掛けで自走させるのだ。

健康経営での対策には二つの観点がある。「生活習慣の改善の取り組みと働き方」、そして「職場環境の改善や仕掛け」である。つまり、個々人の「生活の場での改善」と「働く場での改善」、この二つを考えていくことが必要だ。

健康経営を身のあるものにするのは経営トップのコミットメント

健康経営を始める前に必要なのが、経営トップのコミットメントだ。健康経営では、「健康宣言」と言われるものを発信し、経営トップの社内外への宣言する。例えば、「社員の健康を重要な経営資源と考え、企業として健康増進の取り組みを推進する」そのような宣言を、経営トップがすることが重要なのだ。

特に、社外への発信が重要だ。会社の本気度を示すのには社内だけではインパクトが少なく、ホームページ上に掲載するなどの社外への発信が大事となる。

実際、健康宣言がされている、経営者の健康への意識が高い企業では、社員の健康への意識も高い。逆に、経営者の意識が低い企業では、社員の意識も低いことがある調査結果でも表れている。

結果、経営者が社員の健康に関して意識が十分高い企業は、健康関連の情報を社員とともに共有し、社員の生産性の向上に役立っていると言える。

総務・人事は経営トップへどうアプローチすべきか?

しかし、すぐに経営が賛同してくれるか、という問題もある。そこで重要になってくるのが総務や人事である。「健康経営」については、日々現場と密接な関係にある総務や人事が果たす役割が大きい。社員の健康状態と働き方や生産性がいかに密接に関係しているか、日常業務の中で感じることができるのは、経営ではなく、総務や人事であるはずだ。

総務や人事などの管理部門は「社員の健康」を全社課題として意思統一を図り、その次に、経営トップへプレゼンすることが必要になるだろう。その際に経営トップに伝えるべき情報は、以下が考えられる。

まずは、健康診断の結果や、先に記したアンケート結果をまとめた社員の健康状態など、自社の現状を伝えるもの。その他、社員の健康に対する意識調査も有効だ。「健康の方が生産性が高まる」と多くの社員が考えているのであれば、経営も考えざるを得ない。生産性が高まり、売り上げがあがり、利益も拡大するというのは、経営として最も望ましい状況だ。さらに、休職者・退職者の発生状況とその理由も整理するといいだろう。健康を害して退職している人数が大きければ、危機感を感じるはずだ。

そうして自社の状況を説明しつつ、次に他社の健康管理体制、具体的な施策、事例比較なども説明する。他社と比較した際、それが採用数に影響したり、ブランドイメージに影響するようであれば、取り組まざるを得ない。

他社事例を通じて、健康経営の期待される効果も理解してもらう。健康経営を実践することでの、生産性・業務効率の向上、企業イメージの向上、医療費の抑制、そして従業員満足度の向上など、その効果を示す。その前提で、経営トップによる健康宣言をしてもらうのだ。

健康経営の要諦「継続、社風、多様な選択肢」

大事なことは、継続することであり、そのためには、社風や文化に合った施策を行うことだ。総務部門から社員に対してプロジェクトを押し付けるのではなく、多くの施策を提供し、社員自らが選べる状態を作る。冒頭記したように、健康状態は個々人異なるので、どれが自走への着火点となるか分からないからだ。

健康増進する場合、自らのライフスタイルを変えることに繋がる場合もある。多くの人は変化を好まないので、「上からの変化の強制」はやめた方が良い。あくまでも、社員一人ひとりが「自らが選択した」というスタイルが好ましい健康経営の施策になる。

そのため、いまの生活の延長線上でできることから始めるのが入りやすい。飲み物を少し変えてみる、社食で盛り付けるご飯の量を少し減らしてみる……等々。大きな変化ではなく、ちょっとした変化から入れるようにするのだ。

働き方改革と密接に結びついている健康経営。しかし、すぐに効果が出るものではなく、社員全員が飛びつく施策でもない。あの手この手を使って継続し、社員の気持ちに着火し、自走に結び付ける、相当息の長い取り組みであることを理解して進めたい。

引用:月間総務

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About The Author

The Healthy Company編集長細波恭輔
このライターへの問い合わせ・仕事の依頼はsaiha@kankyocoms.co.jpまで

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